ロータス トピックス

花は朝開く!?

ハス、スイレン(温帯性)の花は一般的に(品種ごとに差異がありますが)早朝より開き始め、夕方には閉じてしまう物が多いようです。数日間これを繰り返し花を散らします。ハスは花弁のみ散って、残った花托が成長して蓮口になります。この蓮口が蜂の巣に似ていることからハチスと呼ばれ、ハスの名の由来ともいわれています。また、熱帯スイレンは昼咲きのほか、夜咲きがあり、こちらは夜の9時頃咲き始め、翌朝9時頃閉じ始めます。
姫スイレンとは?

園芸店などに行くと姫スイレンというラベルをよく見かけます。一般の方は、これを品種名だと思われているようで、実際には通称名、サブネームのようなもので、大まかにいって「小型のスイレン」という事です。学術的には、そういった分類や呼び方はありませんが、園芸上、イメージがつかみ易いのか割と広く使われているようです。現在姫スイレンと呼べる物は2〜3種類が売られていますが、実際には10種以上あり、他の品種は日本では流通していないようです。ちなみにアメリカなどでも姫スイレンに相当する「Pygmy Water Liliy」という言葉があり、同様に小型の品種名の総称で、実際にプール栽培が主流のアメリカでも容器栽培用の株としていくつかの品種が売られていたりします。

鉢の大きさによって株の大きさも変わる?!

スイレンもハスも大変に面白い性質を持っています。それは「栽培する容器に合わせて生育する傾向が大変強い」という事です。特に熱帯性のスイレンは、そういった傾向が強く、例えば植物園などで見かける大型の品種(花の大きさ25〜30センチ、葉の大きさ35〜40センチ、葉の広がりが2メートルを超えるような物)であっても6号鉢(直径18センチ)程の物で栽培可能です! その場合、花も葉も、当然葉の広がりもかなり小さくなりますが、家庭で栽培をされる場合には大変に都合の良い性質とも言えます。

花の香りについて

スイレンを扱った書籍などには品種紹介のページで、有香種とか芳香種といった記述を見かけることがあります。またユリに似た良い香りがするから「ウォーター リリー」(水中のユリ)という名前が付いたという話も聞いたことがあります。実際にどんな品種でどんな香りがするのかというと・・・一番香りが強いのは、熱帯スイレンの昼咲き系のもので、私にはあまり区別は出来ず、どれも同じように甘い香りがします。日本で多く栽培されている温帯性のスイレンは、あまり強い香りはなく、香り自体もミント系の香りのようです。またハスも独特のミント系の香りがします。もっとも香りの表現に関しては、主観的な要素が強く、人によっては違う感じ方をなさるかも知れません。この辺はぜひ、皆さんもご自分で体験されることをお勧め致します。

スイレン、ハスの品種数

スイレン、或いはハスは「一体どのくらいの数の品種があるのか?」というご質問もよくお受けするのですが、正確にお答えすると「分かりません。」 いずれも、もともと大変に品種が多い上に、新たに作られる物もあり、正確にお答えするのは不可能です。目安として、かなり有名な品種でも、それぞれ100種位はあります。

品種同定の難しさ

スイレン、ハスの花を見て、品種を判別するのはごく一部の品種を除いては、残念ながら・・・無理です。大変良く似た品種が多く、しかも栽培条件による個体差もかなり大きいからです。園芸店で買ったとか、通信販売で買ったという物でしたら、日本での流通状況からだいたい判別できますが、もし新しい品種が導入されると、もはや頼りは購入時のラベルのみということになります。(ただ現在の流通状況をみるとほとんどが品種表示なしで販売されているようですが・・・。)

実生について

スイレンは簡単に種を付けませんが、ハスは比較的容易に種を付けます。この種から栽培することも可能ですが、ハスは実生(種から育てること)を行うと、遺伝的な形質が変わり、親の品種とは違う物になります。親の品種とよく似た花が咲いたとしても基本的に新品種扱いになります。例えば、赤い花の実生を繰り返すと白い花が咲くこともあります。だんだんと元の品種から離れていった結果で、ハスの品種がやたらに多いのも、実は簡単に遺伝情報の異なる個体が出現する事にもあります。

伸びる首!?

スイレンを栽培する時、水深はどの位にしたら良いのでしょうか?極端なハナシ、花や葉が水中に沈む位、深い所に置いたとしても、一晩もすると・・・、ちゃんと水面に現れています。特に葉が水面に出る事は株の成長には必要なようで、自ら葉茎を伸ばして葉を浮上させます。ですから、極端に浅い、或いは深い場合を除いては、自分でうまく調節しますので、特に気にする必要はないようです。

これがホントの花時計!?

スイレンの仲間にヒツジ草Nymphaea tetragona)というのがあります。ヒツジ草はスイレンの原種の一つであり、日本唯一の在来種で(尾瀬のヒツジ草が有名ですが。)実際、日本各地の沼や池に自生しています。では、何故ヒツジグサなのかというと、羊の刻(午後2時ごろ)に花が咲くのでヒツジ草と呼ばれるようになったのです。(とはいえ、実際には季節や気温、日照状態に左右されピッタリ2時という訳ではありません。)でも、羊の刻に咲くから羊草って結構洒落てませんか?

3000年の眠りから覚めた大賀ハス!!

昭和26年、ハスの研究で有名な故大賀一郎東大農学部教授が、千葉県の検見川遺跡(約3000年前の地層)にて発見されたハスの種子3個を栽培したところ、そのうちの1個が見事発芽し開花! 世界中に「The Oldest Flower」と報道され話題となりました。その後このハスは各地で栽培され「大賀ハス」と名付けられました。ハスの種子の外皮は非常に硬く、自然状態では、なかなか発芽しにくく、偶然とはいえ非常に良い状態で保存されていたのでしょう。

ハス、スイレンの呼吸

ハス、スイレン共に根や株は空気(酸素)を必要とします。しかし、両者とも魚のように水から空気を得ることはできません。そこで、葉の表面などから取りいれています。特にハスの葉の茎を切断してみるとストローのようになっています。ちょうど太いストローの中に細いストローを数本通したような感じです。ハスの根(いわゆるレンコン)も穴が空いているのは空気を通すためで、この葉と根は当然つながっています。

親亀小亀?

熱帯スイレンの中には葉(浮き葉)の中央部にムカゴと呼ばれる殖芽を形成するものがあります。そのムカゴから新たに芽が出て別の株ができます。しかし、これは子ではなく「株分け」と一緒で元株と同一の性質を持っています。つまりクローンなのです。スイレン属としてはかなり変わった性質といえますが、これはアフリカ原産のミクランタの性質で、この血を引く品種に見られます。その図はまさに「親亀の上に小亀が一匹乗っている。」様に見え、大変ユーモラスな姿です。また同じ水生植物でいうと日本に自生するガガブタ(ミツガシワ科)にも同じ性質があります。