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愛犬モトチョンとのおかしなエピソード
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| ◆◆◆ 逆立ちワンコ ◆◆◆ |
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お散歩でよく合う犬仲間にポッキー(オス・7才)という子がいました。柴犬系の雑種で赤茶色の毛並みをしており、4本足に白い足袋をはいている、大変かわいらしい容姿です。
初めて出会った時足の模様を見て、名前は「タビー」かなと思い伺うと、飼い主のお婆さんが名前とその由来を教えてくれました。
ポッキーは生まれながらに後ろ足が使えません。棒のようにまっすぐな状態でくっついているだけで、曲げることも動かすことも出来ません。おすわりの時はお尻を地面にぺたりとつけ、まるで人間のように後ろ足をまっすぐ前に伸ばして座ります。
歩く時は前足2本だけで歩きます。初めて合った時は垂直の逆立ち歩きをしている状態だったので、かなり衝撃をうけました。お散歩中のトイレは逆立ちのままだとかぶってしまうため、逆立ちからお尻を下げて好きな高さでします。
垂直逆立ちだけでなく、斜め45度でも、30度でも、また地面とほとんど平行な状態でも歩行でき、本人はどんな角度でも平気な様子。とにかく後ろ足を引きずらないようお尻を持ち上げながら、自由自在な角度で歩いているのです。
「この子が母犬のお腹に入っている時、母犬が交通事故にあいましてね、車にひかれて死んでしまったんです。野良犬だったんですが、居合わせた人たちがお腹の子犬だけでも助けようと病院に連れて行き、生きている2匹を取り出しました。息子が家に連れ帰り子犬を世話をしたんですが、1匹はすぐに亡くなり、この子だけが助かったんです。
でも生まれながらに後ろ足が動かなくてね。きっと母犬が事故に合った時に、この子もお腹の中で背骨か後ろ足を骨折してしまったんでしょうね。息子が、骨がポキッと折れた子だからポッキーって名前をつけたんですよ」
お菓子のポッキーにあやかったかわいい名前と思いきや、なんとブラックなネーミングでしょう。
それでもポッキーは助けてくれた息子さんに大変なつき、家族からたくさんの愛情をもらって育ち、皆から愛されるいいワンコになりました。散歩中、誰にあっても吠えた事などありませんし、どんな犬とでも仲良く出来る子なのです
そんなポッキーと飼い主さんを見て私が感心するのは、育て方が良かったという点だけでなく、生まれつき後ろ足が動かないことが分かった時点で保健所に連れて行かず、そのまま飼い続けたということです。雑種ですから中型犬ほどの大きさに育つことは予想できたでしょう。それを承知の上で室内犬として飼うことは家族の生活、また金銭面においてにどれだけの負担がかかるか、かなり覚悟のいることだったと思うのです。
そして人間だったら下半身不随の身体障害者である彼に、ともすれば車いすを用意したり、いろいろな器具で手助けすることは出来たはずですが、あえて何もせずに育てたところがすごいと思うのです。
おそらくポッキーは自分が障害犬であることに気付いていないでしょう。確かに他の犬と同じように早く走ることは出来ませんが、前足2本だけで歩くことに何の不自由もありません。むしろ垂直逆立ちで何十分も普通に歩くのですから、後ろ足で2足歩行するサーカス犬も真っ青の、身体能力が備わっているのです。
動物は人間と違い、不自由な体で生まれても誰も恨まず、泣き言も、文句も言いません。自暴自棄になったり、絶望して自殺することもなく、命ある限り前向きに生き続けるのだと、誰かから聞いたことがあります。ポッキーの姿はまさにそう。私たち人間に多くのことを教えてくれて、勇気を与えてくれるような気がします。
その後自分の転居で合うことが出来なくなり、ポッキーはどうしているかな、とたまに思い出します。彼は決して見せ物ではありませんが、その元気な姿を知ってもらえたら、たくさんの人に勇気と感動を与えるだろうな、と思っています。 |
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