タンザニアから日本へ輸入されている唯一の製品 戻る
タンザニアのザンジバルに住み、アフリカフェの貿易をはじめた島岡さんとのメールの一部です。
「簡単に私達が始めたアフリカフェプロジェクトの流れを説明します。私達は、今までの12年間はザンジバルでローカルな範囲での漁、運送の仕事、そして柔道といったことをずっとやりながら、タンザニアの最下層で生きている人々に何とか仕事の場を作り、また柔道を通して精神面での誇りをもってもらうことを目的に過ごしてきましたが、やはり、ローカルな範囲だけでは、国自体は動かせないし、国の経済が回らなければ、いつまでたっても自立した国はできないというところに行き着き、もちろんこのローカルな部分での活動をベースとしながらも、同時に、国の経済を動かし、経済自立を促進するには、タンザニアの製品を輸出し、外貨を国にもたらすことということで、“アフリカェ”というタンザニアのインスタントコーヒーを日本に輸出し、日本で販売するプロジェクトを始めました。コーヒー産出国でありながら、コーヒー豆という原料での輸出しかないため、安い値段で買い叩かれ、国には充分な外貨が入らないというのは、原料産出国の宿命のようなものです。しかし、タンザニアの中でインスタントコーヒーとして製品化されたアフリカフェを輸出するとは、外貨獲得の有効な手段となりえるのです。日本では、私達が始めたこのアフリカフェ以外の製品は何一つ輸入されていません。このアフリカフェプロジェクトでタンザニア経済の一翼を担おうという気持ちで燃えています。」
ということで、ちょっとかたいですが、だいたいの主旨はお分かりいただけることと思います。友人の友人だといこともあってアフリカフェの取扱いを始めることになりました。よろしくお願いします。
<アフリカフェの特徴>
アラビカ種の特徴は、豊かな香りと酸味、ロブスタ種の特徴は、強い苦味とコク。アフリカフェの故郷タンザニアのブコバには、コーヒーの発祥地エチオピアから伝わる由緒あるアラビカ種と、アフリカ中央部コンゴから来たロブスタ種、この2種類のコーヒーが有機栽培によって育てられています。ブコバ地方のように、1つの地域で同時に両種生産している場所は少なく、たいていどちらかの種類に限られています。アフリカフェは、インスタントコーヒーでありながら、酸味と苦味がほどよくマッチし、香り豊かなコーヒーに仕上がっているのは、ブコバ独特の地の利を生かし、2種類のコーヒーを贅沢に組み合わせて作り上げた極上のブレンドコーヒーだからなのです。
アフリカフェQ&A byトロワ(輸入元)
これは、アフリカフェに関する皆さまからの質問に、トロワ・タンザニアがお答えするコーナーです。アフリカフェを通じて、話は、タンザニア、コーヒー、お菓子、東アフリカの歴史・・・等々、さまざまなことにつながっていきます。とにかく、これだけ知ったら、今日からあなたもアフリカフェ通。一緒にアフリカフェのことを語りましょう。
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Q1. アフリカフェって聞いたことないのですが、何なのですか?
A. アフリカフェは、私たちトロワが2000年4月に初めて日本に輸入した、タンザニアの無農薬&極上インスタントコーヒーです。日本ではなじみのないものですが、タンザニアでは、もう30年以上作りつづけられており、アフリカで最も愛されているブランドです。
Q2. アフリカフェは、なぜおいしいのですか?
A. アフリカフェは、レギュラーコーヒーとしても最高級の、質の高いコーヒー豆「ブコバ」だけを使って、作られているからです。
Q3. アフリカフェは、他のインスタントコーヒーとどこが違うのですか?
A. インスタントコーヒーは、世界の各コーヒー産地から、質が悪く、安いコーヒー豆を仕入れて、それらをブレンドして加工するというのが一般的です。しかし、アフリカフェは、タンザニアのブコバという特定の地域で、作られたコーヒー豆の中でも、極上の豆だけを選りすぐり、しかもそれを生産地であるブコバで、インスタントコーヒーとして製品化されているところが、まったく違います。
Q4. ブコバなんて聞いたことがないですが、本当においしいコーヒー産地なのですか?
A. ブコバは、ビクトリア湖西岸に位置する町で、キリマンジャロと並んで、タンザニアでは昔からのコーヒー産地として有名です。しかも、キリマンジャロのコーヒープランテーションは、植民地政策の流れの中で、ギリシア人によって初めてコーヒーの木が、キリマンジャロ地方に植樹されたのが始まりですが、ブコバでは、植民地としてコーヒー栽培が始まる以前から、エチオピア原産のアラビカ種もコンゴ原産のロブスタ種も自生していました。土地の人は、昔からコーヒーの実を食べており、ブコバには、コーヒーにまつわる伝説や昔話も残っています。
つまり、ブコバは昔々から、コーヒー栽培の最高の自然条件を満たす土地であり、コーヒーと共に生きてきた人々の土地、だからこそ、美味いコーヒー豆の産地となることができたのです。
Q5. ではなぜ、キリマンジャロだけが有名で、ブコバは知られていないのですか?
A. キリマンジャロ地方のコーヒーが、タンザニアから輸出される時点で、「キリマンジャロ」という名の元に世界に送り込まれたのに対し、ブコバの豆は、特別な名前を持たずに輸出されていました。なぜなら、ブコバの豆は、いったんイエメンのアデンを経由することで、そこから、コーヒーの名門モカの名のもとに、売られていたからです。
コーヒーの名称は、積出港、国名、地域名など多様な付け方をされていますが、ブコバの豆は、東アフリカのブコバ産でありながら、アデンを経由することで「モカ」と名づけられ、「幸せのアラビアコーヒー」として、世界のコーヒー愛飲家たちを魅了していたのです。だから、世界中の人々がブコバのコーヒーの味を認めていたにもかかわらず、ブコバの名は広がらなかったのです。
Q6.それはいつの時代のことですか?
A. 第一次大戦以前、タンザニア(その時代はタンガニーカ)がドイツの植民地下にあった時代、1900年代初期のことです。
Q7. アフリカフェは、他のインスタントコーヒーと比べて、なぜあんなに粉が細かいのですか?
A. アフリカフェの製造元タニカ社の設立当時に、技術指導をしたのがドイツ人でした。もちろん、機械もすべてドイツ製を使っています。ドイツのインスタントコーヒー製造技術と品質は、今も昔も、世界最高の水準です。そして、そのドイツのインスタントコーヒーの特徴が、この微粒子状のさらさらパウダーというわけです。
Q8. アフリカフェは、スプレードライですか、フリーズドライですか?
A. スプレードライ方式です。
Q9. 今は、フリーズドライの時代ですが、アフリカフェは、なぜ今もスプレードライのままなのですか?
A. フリーズドライは、低温処理で、アロマを分解せずに包み込むというところが大きなポイントですが、アフリカフェは、30年以上このスプレードライで製造しつづけてきましたが、アロマの点でも十分保っているということで、フリーズドライに移行する必然性が今のところ見当たらないからです。
Q10. なぜ、スプレードライ方式なのに、アロマを十分保つことができるのですか?
A. 他のインスタントコーヒーと違って、レギュラーコーヒー用に使う極上の豆で作られるという素材のよさ、そして、タニカ社には、アロマを封じ込めるためのドイツ仕込みの特別な方法が伝えられているので、アフリカフェはインスタントコーヒーにもかかわらず、飲んだ方がレギュラーコーヒーと間違えるような素晴らしいコーヒーアロマが保たれているのです。
Q11. その特別な方法とは、化学薬品を使うのですか?
A. いいえ、水と蒸気だけによるごく単純な方法です。
Q12. アフリカフェは製造時には、化学薬品は使われていないのですか?
A. 一切の化学薬品は使われていません。
Q13. アフリカフェは、他のインスタントコーヒーに比べて、後味がとてもすっきりしているのは、なぜですか?
A. それは、アフリカフェが、無農薬で栽培した、しかも極上のコーヒー豆だけを使用しているというだけでなく、インスタントコーヒーに加工する際に、工場で一切の化学薬品を使用していないからです。
Q14. どうして、そんなに上等な豆をインスタントにしてしまうのですか?
A. これについては、少々タンザニアの歴史に触れることになりますが、タンザニアはもともと、今のウガンダ、ケニア、タンザニア、ザイールの一部を合わせて東アフリカ領と呼ばれる列強の植民地でした。
4カ国ともコーヒー栽培に適した土地だったので、植民地時代に、コーヒープランテーションが広がりました。また、その時代、植民地政策のもとに、アフリカ、南米、インドなど、東南アジアなど、地球を丁度一回りする赤道直下の熱帯地方、いわゆるコーヒーべルト地帯と呼ばれる地域で、コーヒー栽培が大きく進められ、それが、独立後も、それぞれの国の主産業となっていることは、ご存じだと思います。
しかし、植民地政策の落し子ともいえるプランテーションから生産された農産物は、あくまでも原料として大国に買い叩かれ、大国に輸出できるレベルの製品を製造する力のない第三国は、けして豊かになれないという構造が、今も続いています。
1950、60年代、アフリカで各国の独立が相次ぎ、東アフリカ諸国も次々に独立しました。しかし、その後も、自国で最高レベルのコーヒーを生産しながらも、生豆のまま外国に買い叩かれ、逆に、外国から輸入したインスタントコーヒーを、アフリカ人が高い金を出して飲むというおかしな現象が続いていました。その現象に、矛盾と憤りを感じ、
「せめてまずは、東アフリカだけでも、アフリカ人が、自分たちで作った最高級のコーヒーから作った、最高に美味しいインスタントコーヒーを飲めるようにしよう」という考えを持ち、それを実行したのが、初代タンザニア大統領ニェレレ(Julius
Kambarage Nyerere、1922-1999)です。そんなわけで、タニカ社は、ニェレレ大統領から「東アフリカ全体に、アフリカ人が作った最高のインスタントコーヒーを供給する」という大命を受けて、1967年に会社発足以来、30年以上たった現在も、
「アフリカの最高のコーヒー豆から作った、世界一美味いインスタントコーヒーを世界の食卓へ」
をモットーに、プライドを持って、おしげもなく極上のコーヒー豆を贅沢に使いながら、このアフリカフェを作りつづけているというわけです。
Q15. それほど美味しい豆なら、インスタントのアフリカフェを輸入しないで、ブコバのコーヒー豆自体を日本に輸入すればいいのではないですか?
A. 私たちは、このアフリカフェプロジェクトで、タンザニア経済発展の一翼を担おうという目的を持っています。豆のまま輸入しても、タンザニア経済は、活性化は望めません。だから、豆の輸入は考えていません。
Q16. なぜ、アフリカフェならタンザニア経済の活性化につながり、コーヒー豆では、活性化につながらないのですか?
A. アフリカフェはタンザニアの製品で、コーヒー豆は原料です。原料は安く、製品は値段が高くなります。なぜなら、コーヒー豆という原料の後ろには、コーヒー栽培に関わる人々の存在しかありませんが、アフリカフェという製品の後ろには、コーヒー豆を、インスタントコーヒーに加工する工場を初め、製缶工場、印刷工場、箱詰め、・・・といった、さまざまな場所で働く人々の存在があり、アフリカフェという製品の値段には、それらの職場でのコストが換算されているからです。
原料は外国から安く買い叩かれ、外国からの製品を高く買わねばならず、国の経済は回らず、援助金によって国を維持している、それが、植民地から独立して、30年以上たった今も続いている、タンザニアをはじめ、アフリカ諸国の現状です。
それを何とかするためには、国の中ですべての製品を作って国を経営するか、自国の優れた製品を輸出することで、外貨を得、それで国の経済を回していくしかありません。というわけで、私たちは、コーヒー豆ではなく、インスタントコーヒー、アフリカフェを輸入しているのです。
Q17. タンザニアの製品は、他にも日本に輸入されていますか?
A.アフリカフェ以外のタンザニア製品は、まったく輸入されていません。
Q18. 日本で売られているキリマンジャロコーヒーは、全部タンザニア製品ではないのですか?
A.生産地はタンザニアでも、生豆(原料)の状態で、日本に輸入され、そこでローストやグラインドなどの加工を施されて、レギュラーコーヒーとして小袋、箱、缶などに梱包されたり、またはインスタントコーヒー、缶コーヒーとなった時点で、初めて製品となるのですが、それらは、日本の製品(MADE IN
JAPAN)となるので、内容がキリマンジャロコーヒーであっても、タンザニア製品とは言えないのです。
Q19. インスタントコーヒーは、すべてコーヒー豆100%と言われていますが、本当にそうなのですか?
A. 表向きはそう言われていますが、実際には、アロマ(芳香)付けのための人工的な芳香剤を入れたり、コーヒー豆の量を減らしてコストを下げるために、化学的に作られたエキスを入れたりしていることがあります。
Q20. コーヒーはとてもデリケートな植物だと聞いていますが、ブコバでは、インスタントコーヒーにするほどの量のコーヒーを、本当に無農薬で栽培しているのですか?
A. アフリカフェの故郷、ブコバという地方では、皆さんが想像しているような大規模な農園ではなく、家族単位の小農園の集まりです。農園に牛糞をまき、干草を敷き詰めて土壌から作り上げ、化学肥料も農薬も一切使わない、昔からの伝統的な有機農業が代々続けられている地域です。
大農園になってしまうと、どうしても品質を一定に管理するためには、手っ取り早く農薬散布という手段を足らざるを得なくなってしまいますが、ブコバは、「手と目の届く範囲」といった小規模農園の集合体、だからこそ、今も昔ながらの有機栽培が続けられているのです。
Q21. 有機栽培って何ですか? 無農薬栽培とどう違うのですか?
A. 有機栽培とは、農薬や化学肥料を一切使わずに栽培することです。農薬を使用していなくても、土壌つくりのための肥料に、化学肥料が使われていれば、それは無農薬栽培であっても、有機栽培とはいえません。
Q22. タンザニアというと、キリマンジャロコーヒーが有名で、キリマンジャロというと酸味が強いというイメージですか、どうしてアフリカフェはこんなにマイルドな味なのですか?
A. キリマンジャロコーヒーの栽培地は、同じタンザニアでも、ケニアに近い北東部、アフリカフェの故郷ブコバは、ビクトリア湖の西岸、ウガンダよりの北西部に位置しています。
コーヒーの種類は、アラビカ種とロブスタ種に大別できますが、アラビカ種は酸味と芳香に優れ、ロブスタ種は苦味が特徴とされています。キリマンジャロは酸味が特徴のアラビカ種です。
そして、ブコバは、植民地時代にコーヒープランテーションが始まって、初めてコーヒーの木が植樹されたキリマンジャロ地方とちがって、コーヒー栽培が始まるずっと以前から、コンゴ原産のロブスタ種と、エチオピア原産のアラビカ種が、自生していたという、非常に特殊な土地なのです。アフリカフェの製造元のタニカ社は、ブコバという、1つの地域に生産地を限定しながらも、アラビカ種、ロブスタ種の両方を贅沢にブレンドすることができるという最高の条件のもとで、酸味も苦味も程よくマッチした、このアフリカフェの絶妙な味を作り出しているのです。
Q23. アフリカフェは、水にも溶けますか?
A. はい、水にも溶けるので、アイスコーヒーにもぴったりです。
Q24. アフリカフェは、お菓子作りにも向いているそうですが、なぜですか?
A. ほかのインスタントコーヒーと違って、粒子が非常に細かいので、材料と混ぜ合わせるときに、コーヒーだけをいったん水に溶かしたりしなくても、そのまま材料に混ぜ込むことができるからです。
また、アフリカフェは、酸味がち、苦味がちと、どちらかに偏りがちな他のコーヒーと違って、酸味も苦味もマイルドで癖がないので、デリケートなお菓子作りにぴったりなのです。
そして、アフリカフェは、強い酸味や苦味でお菓子の味を損なうことなく、しかも豊かなコーヒーアロマとコクで、そのお菓子に、コーヒーのアクセントをしっかりつけることができるのも、お菓子作りにぴったりと言われる理由の1つです。
Q25. パンフレットにタンザニア大使からのメッセージが載っていますが、なぜ国の代表である大使が、1つの製品に対して推薦の言葉を寄せているのですか?
A. ムタンゴ大使のインタビューを読んでいただければわかると思いますが、大使は、アフリカフェが、タンザニアから日本に入っている唯一の製品であり、日本でのアフリカフェプロジェクトの成功は、タンザニア経済発展と直接結びついているという点を、理解してくださっているからです。
Q26. ギフトセットのマグカップについて教えてください。
A. 動物の木彫りを伝統工芸とするカンバ族が作っている手作りのマグカップで、マホガニーの木を使っています。マホガニーの木の特徴は、木の芯の部分が黒く、周りは白いという2層の色になっていることです。カップを作った残り片でスプーンが作られているので、それぞれ色が違っていますが、これは使われている木の部分が違うからです。
Q27. アフリカフェについている木彫りのスプーンも同じですか?
A.そうです。このスプーンもカンバ族の手作りです。
Q28. スプーンの色がまちまちなのは、なぜですか?
A. スプーンは、カップを初め、他の作品を作った木の残り片で作られるため、木の中心、外側などさまざまな部分が使われる関係で、色もまちまちなのです。
<ロバのつぶやき>
ネスカフェやめて、アフリカフェ
ネスレ社は、インスタントコーヒーの代名詞とさえ言える『ネスカフェ』をはじめ、様々な食品を製造、販売する多国籍企業です。このネスレ社の製品に対するボイコット(不買運動)キャンペーンが、1970年代の中ごろ、アメリカからはじまり、ヨーロッパ、ニュージーランドなどへと広がり、今でも続いていることは、日本ではあまり知られていません。
ボイコットの目的は、ネスレ社の『発展途上国』での粉ミルクの宣伝販売をやめさせること。ネスレ社は人口が増え続ける『発展途上国』で、粉ミルクなどの人工栄養のほうが母乳より優れている、近代的等といったコマーシャルやマスコミ宣伝、医療従事者や行政への様々な資金協力、粉ミルクや哺乳びん、おむつなどの無償サンプルの配付などをつうじて、売り上げを伸ばしていきました。その結果、不衛生な水でミルクを作ったり、哺乳びんの消毒ができなかったり、粉ミルクを薄めて与えたり等が原因で、乳児の下痢、脱水、栄養不良などによる死亡が激増。ユニセフによれば、年間100万人〜150万人の乳児が母乳を与えられなかったために死亡しているというのです。
1970年代末から80年代はじめのボイコット運動で、ネスレ社は11億ドルの損害をだしたといわれています。その後ネスレ社は、1981年にWHOとユニセフが作った『母乳代替品のマーケティングに関する国際基準』(おもに10項目からなり、母乳代替品の宣伝をしないことやサンプル配付の禁止、ラベルに人工栄養を理想化するような乳児の絵や写真等を使用しない、母乳栄養の利点と人工栄養の危険性について説明すること等が盛り込まれている)を守ることを表明したため
、いったんボイコットは終了。しかしその後もこの基準の違反(1990年〜91年には56ヶ国で違反)が続き、再び1988年からボイコット運動がはじまりました。最近のボイコットニュースによると、ネッスル社はカメルーンの保健施設で粉ミルクの宣伝を行い、これに抗議してカメルーンでもネッスルボイコットが始まりました。又、パキスタンでは消費者保護局の指摘により、ネッスル社は今後、医師等に贈り物をしないと約束したそうです。
ボイコットの対象となるネスレ社の製品は、ネスカフェやネスティー、ミロといったインスタント飲料や缶飲料の他にも、多国籍企業だけに沢山あります。例えばスープキューブの『マギーブイヨン』、スパゲッティの『ブイトーニ』、ミネラルウォーターの『ペリエ』『ヴィッテル』、チョコレートの『キットカット』、ペットフードの『フリスキー』等。ボイコットは、だれでも、いつでも、どこでもはじめられます。買い物をするときにちょっと気をつけることで、不衛生な哺乳びん等が原因で、毎日4000人の赤ちゃんが死んでいるという事実を、少しでも改善できるのだとしたらその価値は充分にあると思います。
※1.このボイコットは、コーヒー業界に対しても意味があると思います。コーヒーは赤道を中心に緯度25度のエリア、約70ヶ国の『発展途上国』で生産されています。生産者の約8割が、小規模農家で、資金力や、販売の為の情報、ノウハウも持っていません。コーヒー生豆の価格のは、おもにニューヨークの先物市場を中心に相場が決まり、そこでは5〜6の世界の巨大多国籍企業(カーギル社、P&G、ボルカート社など穀物メジャーとネスレ社のような焙煎加工業者)が、コーヒーの市場の多くの取り扱いシェアーを独占していると言われます。そのためコーヒー生豆の最終価格に占める生産者のシェアーは下がり続けています。生産者がまっとうな利益を得られるようにサポートする(“確かな”フェアトレード等の)製品を購入することと、ネッスルボイコットキャンぺーンは、車輪の両輪だと思います。
※2.1981年にWHOとユニセフが作った『母乳代替品のマーケティングに関する国際基準』というのがあることを今回初めて知り、日本の粉ミルクメーカーは、どうなっているのかと思いました。この基準ができた時は、118ヶ国が承認、日本は棄権、アメリカ合衆国は反対。しかしその後、1994年合衆国もこの基準を事実上採択し、その際は日本も賛成しているのです。なのに、病院や産院で、粉ミルクをプレゼントしたり、「体重の増え方がたりない」等と言ってすぐに粉ミルクをあげるように指導したりしているのは、明確な違反では?と思います。私の経験ですが、乳児検診に行くと、診察の後で親切にも「栄養士さんのお話を聞いていって下さい。」と別室に通され、粉ミルクメーカーの派遣栄養士が「母乳不足ではありませんか?うちのは母乳に一番近いミルクです。成長に欠かせない栄養素がもれなく入っています。今、この缶を3つ買うとベビー用品等の豪華プレゼントに応募できます」等と言いながら、サンプルをたくさん渡されました。“人間の赤ちゃんに必要なのは、まず人間のおっぱい”という当たり前のことが選択できるように、母乳育児についての情報をもっともっと広めることは大切だと思います。それにしても日本の粉ミルクメーカー(雪印、明治、森永等)が前記のWHOの『母乳代替品のマーケティングに関する国際基準』に対してどんな対応をしているのかは不明ですが、これを守っているとはとても思えません。
参考本:『母乳育児の文化と真実』橋本武夫監訳/メディカ出版
ネッスルボイコットについては英文サイトで、http://www.babymilkaction.org