btml02.gifテラピーめーる10-1 マッサージで体のゆがみをなおすには


●筋肉が縮んでいるだけのゆがみの治し方

 ここでは、筋肉が縮んでいるためだけの体のゆがみのなおし方についてお話します。不安定性や拘縮など(テラピーめーる9-1参照)はないものとして、話をすすめていきます。

 この場合、縮んでいる筋肉をマッサージすれば、その筋肉は伸びて、ゆがみが改善されます。(マッサージでなくても、電気治療とか温熱治療でもかまいません。マッサージが合わない方はそういった治療方法を用いましょう)
 ゆがみが改善されると、痛みやしびれなどの症状が、ずいぶんと改善されます。

 けれども、どの筋肉が縮んでゆがんでいるのか、探し出すのは、簡単そうでいて、なかなか難しいのです。
 どこが縮んでいるのか、外見に明らかに現れている人もおられますが、外見だけではほとんどわからない人もたくさんおられます。案外、軽症の人のほうが、どういうふうにゆがんでいるのか、見立てが難しいことがあります。

●どうやって縮んだ筋肉を見つけるか

 縮んだ筋肉は、軽く圧迫するだけで痛みます。(人によっては、筋肉が縮んで固くなっていても、押した痛さがほとんどないこともあります。その時は、筋肉が固くなっているかどうかで判断します)
 でも、圧迫すると痛みのある筋肉が、必ずしも縮んだ筋肉とは限らないので
す。

 圧迫して痛みがある時、その痛みの出る原因はいくつもあります。
 筋肉が縮んでいる時だけでなく、引っ張られて伸びている時にも痛みはあります。発熱や冷え、感染、血行障害や神経障害などでも痛みは出ます。(詳しくはテラピーめーる5-1を参照下さい)

 圧迫すれば痛む筋肉は、ていねいに探しさえすれば、誰にでもみつけることができます。
 けれども、それがどういう原因で出ている痛みなのかを判断することは、とても難しいのです。
 それを説明し出したらキリがないので、ここでは、筋肉が縮んでいて痛みが出ているのかどうかを判断するポイントを紹介します。

 こって縮んでいる筋肉は、圧迫すると痛みますが、しばらくほぐすと痛みが和らいできます。
 痛みが和らがない時は、軽く伸ばしながらマッサージしてみます。
 縮んだ筋肉なら、軽く伸ばしてほぐすと、ほぐす時の痛みが少ないことがわかります。

 もし、しばらくほぐすと痛みが和らいでくるか、軽く伸ばした方がほぐす時の痛みが少ないなら、その筋肉は縮んでいる筋肉だと判断できます。

(筋肉を伸ばし方は、少し引っ張られている感じがするように体の各部を動かして探してみてください。わからない時は、専門家に尋ねるか、ストレッチングや筋肉の解剖と機能を解説した本を参照して下さい)。

●縮んだ筋肉をほぐす時のコツ

 軽く伸ばすと痛みがましになる筋肉が見つかったら、軽く伸ばしたまま、しばらくマッサージを続けます。

 縮んだ筋肉を軽く伸ばしながらほぐすと、ほぐす痛みが少ないだけでなく、早くほぐれるという利点があります。(テラピーめーる9−2で書いたように、楽な姿勢でほぐすというのも、同じ意味です)

 これは軽く伸ばすことで、縮んだ筋肉が伸びて容積が大きくなり、筋肉の内部が周囲より陰圧になって、血液がよく吸収されるからではないか、と私は思っています。

 ただし、伸ばしすぎると、今度は筋肉が細くなるので、逆に容積が減り、血液が入りにくくなると思います。それだけでなく、伸ばしすぎは、筋繊維や関節を傷めることがあるので、是非とも避けなければいけません。
 あまりにも伸ばしすぎると、今度は前とは反対の方にゆがんでしまうことだってあるのです。

 あくまでも、軽く伸ばしながらマッサージすることがコツです。

●症状が改善しない時は

 痛みが改善しない時や余計に痛くなる時は、他に縮んでいる筋肉を探します。そこをほぐしてから、もう一度はじめの筋肉を圧迫してみると、痛みが改善していることがよくあります。この場合、はじめの筋肉の痛みは、後でほぐした筋肉の緊張による体のゆがみから生じた痛みだったと考えられます。
 コツは、ほぐれない筋肉はしつこくマッサージしないで、ほかをあたってみることです。

 以上のようなポイントに注意してマッサージしていけば、縮んでいるところだけが伸びることになり、自然と体のゆがみがとれていくのです。

 そのようにやって、ゆがみがほとんどないにもかかわらず、症状が改善しない場合は、その症状は体のゆがみ以外から来ていないか検討します。
 例えば、軟骨や骨の損傷でないか、小さな傷からばい菌が入っていないか、腫れていないか、発熱していないか、神経障害が起きていないかなどを調べます。
 そういった原因から生じる痛みは、いくらマッサージしても改善しません。
時にはマッサージすればするほど痛みが増してきて「もうやめて〜」という感じになることもあります。

 どこかにほぐしきれていない筋肉が残っている可能性も、否定はできませんが、もし、筋肉が柔らかく、ゆがみもないのに症状が改善しない時は、早めに専門家にみてもらいましょう。

●例をあげてみます

 例えば、Aさん、Bさん、Cさんが、ふくらはぎの痛みをもっていたとします。
 3人とも、ふくらはぎを圧迫すると痛みがあります。

 Aさんは、つま先を上げてもむと、痛みがましです。
 しばらくほぐすと、痛みが軽くなりました。
 Aさんは、ふくらはぎの筋肉が縮んでいたのです。

 Bさんは、つま先を上げてもむと、余計に痛みます。
 逆に、つま先を下げてもむと、痛みが軽くなります。
 すねの前側の筋肉をほぐすと痛みますが、しばらくほぐすと和らぎました。
 もう一度ふくらはぎを圧迫すると、痛みがなくなっていました。
 Bさんは、すねの前側の筋肉が縮んで、ふくらはぎの筋肉が伸ばされていたのです。

 Cさんは、つま先を上げても下げても同じように痛みます。
 けれども、すねの前側の筋肉には痛みはありません。
 よくみると、骨盤がゆがんでいます。
 腰やお尻の筋肉を押すと痛みがありますが、しばらくほぐしていると、骨盤がまっすぐになりました。
 もう一度、ふくらはぎを圧迫すると、痛みがなくなっていました。
 Cさんは、骨盤のゆがみによって、ふくらはぎに坐骨神経痛が出ていたのでした。
 
(ふくらはぎの痛みは上の3つのケースに限られるわけではありません。他にも、打撲や肉離れ、こむら返り、シンスプリント、コンパートメント症候群、感染、冷え、むくみ、疲労、栄養不良など、さまざまな可能性がありますので、念のため)

 このようなマッサージでゆがみを治す方法は、強いストレッチをしたり、関節を鳴らしたりするような矯正方法に比べて、安全で効果が長く保てると私は思っています。