btml02.gifテラピーめーる57 首や腰を引っ張るのは、強いほうがよく効くか?


体の健康法にまつわる間違い・勘違い(4)

「もっと強く引っ張ってもらえませんか」

機械や錘で、首や腰を引っ張って、背骨を真っ直ぐにしたり、背骨のすき間を広げたりすることがあります。
専門的には「牽引療法」と呼びます。

牽引をする時、患者さんから「もっと強く引っ張ってほしい」とリクエストされることはめずらしくありません。
リクエストにお応えして、引っ張るのを少し強くすることはありますが、強くしすぎないように気をつけています。

引っ張る強さは、弱すぎると効果がありませんが、逆に強すぎると体を傷める危険があるからです。

「強いほうがよく効く」というのは間違いです。
健康な時なら問題にならない強さでも、どこかを傷めている時には、それが強す ぎることもあるのです。

私の患者さんではありませんが、腰を強く引っ張りすぎたために、本当に腰が抜 けて、動けなくなられた方がおられます。

個人差があるので、強めにしたり、弱めにしたり、微調整は必要ですが、傷んだ体には、縮んだところがちょっと伸びるくらいの刺激がちょうど良いのです。

患者さんの体は、機械ではありませんから、力任せに引っ張っても駄目です。
機械だったら、たたいて延ばすこともできるでしょうが、そういうわけにもいきません。
症状が強ければ、ひっぱるのを強くしたほうが良いような気がしますが、症状が強い時ほど、引っ張るのは弱めにしたほうが良いです。

痛みが強すぎる時や痛みがぶり返した時は、牽引すること自体、休んだほうが良 いでしょう。

体を傷めた患者さんが、早く体を治したいという気持ちはよくわかります。
でも、引っ張るのを強くすれば、早く治るかというと、そうではありません。
「忙しいから、3回分いっぺんに伸ばしておく」というようなこともできません。
首や腰を引っ張る時は、ちょっと伸びるくらいの強さで、できるだけまめに引っ張るのが、もっとも治りが良いようです。