btml02.gifテラピーめーる58 筋肉には、それぞれ決まった伸ばし方があるのか?


体の健康法にまつわる間違い・勘違い (5)

「えっ、この筋肉はこっちに引っ張って、伸びるんですか?」
接骨院で施術をしていて、私が患者さんの筋肉を伸ばすと、思わぬ方向に 筋肉を伸ばされて患者さんが驚かれることがあります。
「こっちに伸ばせば、痛みがとれるんだー」
驚かれるのは、どちらかといえばストレッチの知識がある患者さんです。
ストレッチの方法が書かれた本などを読んで、あるいは、スポーツクラブや整形外科、接骨院で指導を受けて、その内容どおりにストレッチをしてお られる患者さんほど、驚きが大きいようです。

実は、ある筋肉が伸びる方向は一定ではありません。
一見、筋肉が縮むような方向に引っ張った方が、縮んだ筋肉が伸びること があります。

一見、縮むかのような方向へ筋肉を伸ばすストレッチを、私は「パラドキ シカル・ストレッチ(逆説的伸張法)」と呼んで、数年前からよみうり文化センター京都で公開しています。

最近、インナーマッスルを鍛えるとか、伸ばすとか、柔らかくするといったことを目にするようになりました。運動能力の向上や体の痛みの改善に役 立つというのです。
実はパラドキシカル・ストレッチングは、このインナーマッスルを伸ばすのにぴったりなのです。

インナーマッスルは、通常知られているようなストレッチ法では、伸ばし にくいという特徴があります。
よく知られているストレッチ法を一生懸命やっている人ほど、インナーマ ッスルのストレッチがおろそかなりがちです。
そして、一生懸命そういうストレッチをして、体を痛めたり、かえって症状を悪化させたりしておられるのです。

昨日も、そうやって体を傷めた方が二人、当院に来られました。
一人は、お尻の筋肉(大臀筋)を伸ばそうとして、脚を伸ばして座り、体を前に倒すストレッチをされました。
その後、お尻の痛みが余計に強くなられました。

一人は、背中の筋肉が痛いので、一生懸命ストレッチされました。すると、 腰まで痛くなり、背中の痛みはさらに強まったそうなのです。

お二人とも、パラドキシカル・ストレッチをさせていただくと、痛みが軽くなられました。

通常のストレッチが間違いだというのではありません。
片寄ったストレッチを繰り返すことに問題があるのです。
ひいては、「この筋肉はこうすれば伸びる」という思い込み、または固定 観念が問題を引き起こすのです。
体を柔らかくするのに行き詰ったら、まず頭を柔軟にして、ストレッチのやり方を変えてみられてはいかがでしょう。