btml02.gifテラピーめーる8-1 自分では、体のゆがみはわかりにくい


 「私の体、ゆがんでますか?」
 患者さんからそんなことをよくたずねられます。

 ゆがみをはっきり自覚できる人は別として、案外、自分の体がゆがんでいるのかどうかはわからないものです。

 私自身も、自分の体がゆがんでいるかどうか、人にみてもらわなければわかりません。
 どうして自分の体のゆがみはわかりにくいのでしょうか?

●わかりにくい一つの理由

 人は自分の顔全体を、鏡や写真、ビデオなどによってしか見ることはできません。
 つまり、ナマで自分の顔全体を見ることは 生涯、ないわけです。

 それと同じように、自分の体全体を見ることはできません。
 写真を見て、自分の体がゆがんでいることに気づく方も多いでしょう。

 でも、写真やビデオでは、微妙なゆがみまで見ることは難しいものです。
 (そのうち、等身大の立体映像で、自分の姿を見れるようになるかもしれませんが……。)
 他にも、自分の体のゆがみがわかりにくいわけがあります。

●第六の感覚のしくみに、わかりにくいもう一つの理由が

 人には五感があるといわれています。
 視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚です。

 第六感というと、直感とか、いわゆる勘とかの代名詞のようにいわれていますが、れっきとした6番目の感覚もあります。
 それは、平衡感覚とか深部感覚といわれる感覚です。

 これらは、自分の体がどのような運動や姿勢をしているかを感じ取るものです。
 耳の奥にある平衡器官や、筋肉や関節付近にある筋紡錘腱紡錘などが感じ取ります。

 人が自分の体をまっすぐにする時、前後左右の深部感覚が等しくなるようにします。
 右から入ってくる感覚と左から入ってくる感覚が同じ強さになれば、それでまっすぐだと感じるのです。
 ですから、たとえ、いくら体がゆがんでいても、左右の感覚が同じなら、体がまっすぐだと感じられるのです。

 ●実際にまっすぐにしてあげると、ゆがんでいるのが実感しやすい

 「私の体ゆがんでますか」とたずねられる患者さんの中には、もちろん体にゆがみのない患者さんもおられます。
 でも、ゆがみのある患者さんなら「じゃ、まっすぐにしてみましょう」と体の位置や向きを変えて、まっすぐにしてあげます。

 すると、体の縮んでいる所が伸びますから、そこの筋紡錘や腱紡錘から、伸ばされているという信号が脳に伝わります。
 縮んでいる側からの感覚が、反対側より強くなるので、人は自分の体がゆがめられていると感じます。
 体はまっすぐになっているのに、本人にはゆがんでいると感じてしまうのです。

 ゆがんでいるという自覚のなかった患者さんほど、

 「ええー、これでまっすぐなんですか」「ずいぶん、私の体、ゆがんでたんですね」
 と、びっくりされます。