btml02.gifテラピーめーる 8-2

「体がゆがんだままだと、どうなるのですか?」


●体のゆがみは、自分では感じたり、なおしたりしにくい

 体のゆがみが自分では気づきにくいわけを、8-1号でお話しました。
 
 自分ではまっすぐなつもりなのに、
 「顔が左を向いているよ」
 「右の肩が下がっているよ」
 「前かがみだよ」
 そんなふうに人に指摘された経験を持たれている方は少なくありません。

 また、
 「わかっているんだけれども、体のゆがみはなかなかなおすことができない」
 とおっしゃる方も少なくありません。

 そういう方から、
 「体がゆがんだままだと、どうなりますか?」
 と、質問されることがあります。

 今回は、単純な例をあげながら、その質問への回答を書いてみたと思います。

●まず、体がゆがんだらどうなるか?
 

 大きなケガや病気をしたことがない健康な方の体は、前後、左右にバランスがとれています。
 左右の脚の長さ腕の長さもほとんど差がありません。
 (どうして腕と脚が、左右同じ長さになるのか、私にはとても不思議です)。

 多少のゆがみでは、たいていの人は何も不調を感じません。
 でも、その人に耐えられる以上のゆがみが生じてくると、痛みしびれが現れてきます。
 めまい耳鳴り目や歯の痛み頭痛を感じる人もいます。

 どのくらい耐えられるかは、ずいぶんと個人差があります。
 そして、個人の中でも、心身の状態によって変わります。

●[具体例] 背骨の右側の筋肉が縮むと、このようなゆがみが出る

 ごく単純な例をあげて説明します。
 
 例えば、背骨の右側の筋肉が、何かの原因で緊張して、縮んでいるとします。
 すると背骨は右側にカーブします。

 このカーブは、ごくゆるやかなカーブです。
 漫然と見ていたら見過ごすようなカーブです。
 経験を積めば、どちらに背骨がゆがんでいるのかは、すぐに見分けられるようになります。

 左右の脚の長さを比べてみると、わかりやすいこともあります。
 緊張して縮んでいる側の足が、上がっています。この例の場合は右足が上がります。

 実際には脚の長さは変化しないのですが、みかけ上は、右脚が短く見えます。

 バンザイをしてもらって、右手と左手の長さを比べると、わかりやすいこともあります。
 緊張して縮んでいる側の手が、下がっています。この例の場合は右手が下がります。

 みかけ上、右腕が短く見えます。
 (背骨の右側の筋肉が縮んでいても、右腕が長く見えるときもあります。
 右腕を上げる筋肉が緊張している時や、左腕を下げる筋肉が緊張している時です。)

8-2.jpg

●痛みやしびれはどちら側に出るか?

 背骨の右側の筋肉が縮んだ時、痛みやしびれは左右どちら側に出るでしょうか?
      ・
      ・
      ・ 
      ・ 
      ・
      ・
 答えは「どちらにも出ることがある」です。
 「なんや、ひっかけ問題やないか」と怒らずに、聞いてください。

 右に痛みを感じる人もいれば、左に痛みを感じる人もいます。
 ただ、右と左では、痛みの原因と性質に違いがあります。
 もちろん両側に痛みを感じるひともいますし、両方とも痛みを感じない人もいます。
 それだけ、人の体は一筋縄ではいかないのです。

◇縮んでいる側に痛みやしびれが出る場合(この例では右側)

 まず、右側の筋肉が縮むと、その筋肉に入っている神経と血管が圧迫されます。
 すると、血行が悪くなって、酸素と栄養が不足し、老廃物がたまってきます。

 神経の中も、神経の栄養となる物質が流れています。
 (これを軸策流といいます。)
 神経の栄養の流れや伝達も悪くなります。

 このようになると痛みやしびれが生じます。

◇伸ばされている側に痛みやしびれが出る場合(この例では左側)

 また、ある筋肉が縮むということは、ある筋肉が引き伸ばされるということを伴います。
 (骨折など、必ずしもそうならない例もあります。)
 ですから、背骨の右側の筋肉が縮んだ場合、背骨の左側の筋肉が引き伸ばされることになります。
 筋肉や靭帯が、断裂したりすることもあります。

 筋肉にそった神経や血管も引き伸ばされます。

 神経と血管は、狭いところを通りぬけ、曲がりくねって、全身に行き渡ります。
 そんな神経や血管が引き伸ばされたらどうなるでしょう。
 当然、曲がり角で神経や血管の流れが悪くなります。
 そうして、背骨の左側に痛みやしびれが感じられるのです。

◇両側に痛みやしびれが出る場合

 片方は縮んでいる痛みで、もう片方は伸ばされている痛みを感じる人もいます。

 両方とも縮んでいる場合もあります。
 見かけ上左右のバランスがとれていても、とてもつらい状態です。

◇両方とも痛みやしびれが出ない場合

 「こんなにゆがんでいるのに、痛みがないのですか?」
 と、びっくりさせられる人もいます。

 少しバランスが崩れただけでつらい人もいれば、大きくバランスが崩れても平気な人もいるのです。

●ゆがんだままにしておくとどうなるか?

 この例の場合、背骨の右側では、関節が圧迫され続けます。
 軟骨や骨がつぶれたり、磨り減ったりして、変形します。
 骨と骨の間が狭くなって、そこを通る神経が圧迫されることもあります。
 
 背骨の左側では、筋肉や靭帯が伸ばされ続けます。
 骨に筋肉や靭帯が付着しているところは、常に引っ張られることになります。
 すると、骨がだんだんとふくらんできて、出っ張ってきます。
 これは、レントゲンでは骨の棘のように写るので、骨棘(こつきょく)と呼ばれます。
 骨棘は、周囲の神経を圧迫したり、関節の動きを妨げたりします。


8-2-2.jpg

 骨や軟骨がつぶれたり、骨棘ができたりすると、簡単には元に戻りません。
 あなたの体がもしゆがんでいるなら、そうなる前に治しておかれることをお勧めします。