テラピーめーる9-2 マッサージはどういうふうにするといいか
●マッサージって?
マッサージというのは、手で筋肉などに適度な物理的刺激を与えるものです。
つまむ、押す、もむ、なでる、ゆらす、たたく、はじく、こねる、ねじるetc.
刺激の与え方はさまざまです。
一応、私は柔道整復師ですので、「柔道整復術の手技(しゅぎ)」と言った方が正確です。
ですから、施術中には、ほとんどマッサージという言葉を自分から使うことはありません。
かといって「手技」という言葉は業界でしか通用しないので、「固くなった筋肉をほぐしましょうね」といった言い方をしています。
それでも、ここでマッサージという言葉を使うのは、それが一番通りがいいからです。
電話などでの問い合わせでも「マッサージをしてもらえますか」という尋ね方が一番多いようです。
「先生のやり方は指圧ですか」とか「按摩ですか」とか聞かれることもあります。
指圧や按摩とは幾分はずれるところもあるので「同じようなもんです」と答えています。
その点、マッサージという言葉は、あまり制約がないので使いやすいのです。
流派によっては細かいことにこだわるところもあるようですが、「これだけは」というマッサージの基本を紹介します。
オイルやクリームを使いたい人は、安全なものを使ってください。
分厚い服でさえなければ、服は脱がなくても大丈夫です。
当院では、着衣のままで行います。
指圧や按摩以外にも、スウェーデン式とか、タイ式とかいろいろあるようです。
好きな人は研究して、いいところを取り入れてみてください。
●マッサージのいろいろ
いろいろなマッサージがあります。
リラックスやスキンシップ、心地よい感覚を得るためのマッサージ、皮膚や皮下組織の新陳代謝をよくするためのマッサージ、組織の癒着を改善するためのマッサージなど。
私がおこなっているマッサージは、血行を良くするためのマッサージです。
血行を良くするためのマッサージには、主に次の二つがあります。
「新鮮な血がよく行き渡り、筋肉が柔らかくなって伸びるようにするマッサージ」
「老廃物や二酸化炭素を含んだ血(静脈血)やリンパの返りを良くし、むくみや腫れがひくようにするマッサージ」
「老廃物や二酸化炭素を含んだ血やリンパの返りを良くし、むくみや腫れがひくようにするマッサージ」は、リンパマッサージと呼ばれたりもします。このマッサージについては、また機会があれば解説したいと思います。
体のゆがみをなおすためには、主に「新鮮な血がよく行き渡り、筋肉が柔らかくなって伸びるようにするマッサージ」を用います。(特にことわらなければ、「テラピーめーる」や当院のホームページでマッサージといえば、この「新鮮な血がよく行き渡り、筋肉が柔らかくなって伸びるようにするマッサージ」のことだとお考え下さい。他のマッサージについては、説明が当てはまらないこともあることをご了承下さい。)
●どこにマッサージするか
マッサージをするのは、主に筋肉です。他に腱や筋膜も対象となります。
筋肉の中でも、固くなっている筋繊維に刺激を加えます。
固くなっている筋繊維が多いと、そこはしこりのようになっていますので、ていねいにほぐします。
丸い球状のしこりは、リンパ節がはれているものだったりします。まれに脂肪腫などもあります。こういった腫瘤はマッサージを避けてください。
また、血行を良くするわけですから、血行を良くしてはいけないところにマッサージをしてはいけません。
例えば、発赤しているところ、内出血を起こしているところ、血管の痛みの出ているところ、発熱しているところ、特に敏感なところはマッサージを避けます。
●刺激の仕方
固くなっているところをみつけたら、筋肉の下にある骨に向かって垂直に圧迫します。
ちょうど、骨と指で固い繊維をはさみうちにするのです。
肩や腋の筋肉のように、つまむことのできる筋肉は、指と指が垂直に向かい合うようにして、固くなった筋繊維をはさみます。
コツは、「垂直に」です。
斜めに押したのでは、効き目は半減します。
指と指が向かい合わず、ずれているようではだめです。
正確に圧迫しさえすれば、力は大していりません。
●どれくらいの強さで圧迫すればいいか
刺激の強さは、健康なところなら痛くなくて、血行の悪いところなら「イタ気持ちいい」程度にします。
痛すぎると後で痛みが残ります。
ゆるすぎると効果が出ません。
長い時間かけてやるなら、少し弱めの方がいいでしょう。
●何分くらいすればいいのか
同じ所に長くマッサージしてはいけません。
早い人なら10秒くらいで痛みがとれます。
なかなか痛みのとれない人もいますが、一箇所を1分ほどほぐしてみて、痛みが改善しないようなら、次の箇所に移ります。
なかなかほぐれないところは、しばらくおいてみて、後でもう一度ほぐしてみます。
2度目にさわると、痛みがましになっていることがよくあります。
でも、それ以上はしない方がいいでしょう。
そういう場所は、いくらほぐしても、ほぐすことでは一向に痛みが改善しない可能性が高いからです。
筋肉のこり以外の痛みの可能性を考えるべきでしょう。
しつこくするのはだめです。
●どんな状態でするといいか
「痛みができるだけ少ない状態でする方が、より良い」
ということを、頭に入れておいて下さい。
マッサージは痛い方がよく効くと勘違いしている人がいます。
痛がらせるのがマッサージの目的ではありません。
痛いところを、できるだけらくな状態でほぐしてあげた方が、より良いのです。
例えば腕なら、肘を曲げている方がらくか、伸ばしている方がらくか、外へねじっている方がらくか、内へねじっている方がらくか、手を握っている方がらくか、開いている方がらくかなど、あれこれ、らくな状態を探します。
必ずみつかるわけではありませんが、らくな状態をみつけてマッサージすると、より良くほぐれるのです。
体のゆがんだ人は、まっすぐにしてほぐした方が、痛みも少なく、早くほぐれることがあります。
ところが、痛みを避けるために体をゆがませている人は、体をまっすぐにすると余計に痛かったりします。そういう人は、まっすぐにせずにほぐします。もし、もっとゆがめてあげた方がらくなら、さらに体をゆがめた状態でほぐします。
あくまでも、その人がらくな体の状態でマッサージすることが大切です。
●注意が必要なところ
首や腰は反らされることに弱い構造をしています。
うつぶせで、グイグイ押すようなことはしてはいけません。
できれば首は仰向けか座ってほぐします。
腰をうつぶせで押すと、ズキズキするような人には、お腹の下に座布団かたたんだバスタオルを入れてあげます。
高齢者、特に骨粗しょう症の人は、うつぶせをしない方が無難です。横向けかあお向けでマッサージした方が安全でしょう。