2012新春を迎えるにあたって

   中央本部執行委員長

   多川 春己

あけましておめでとうございます。

2012年の新春を迎えるにあたり、中央本部を代表し一言ごあいさつを申し上げます。

昨年、2011年3月11日14時46分、その時私は東京お茶の水にある情報労連会館
三階での通建連合幹事会に参加していました。そして地震発生当初の揺れは確かに大きくは
ありましたが、やがて知ることとなる「東日本大震災」特に東北沿岸部の津波による惨状を
全く予測することなく、いつものようにやがては収まる地震であろうと「高を括って」おり
ました。人とはこのように直ぐそこに危機が迫っていても「まあ自分は大丈夫」と楽観的に
考えたがるもので、その後の福島第一原発事故の「メルトダウン」においても人の手に収ま
るはずのないものまで「まあそのうち・・なんとか」と見て見ぬふりを決め込んでしまうみ
たいです。


 日本は戦後66年、国際的な紛争や、戦争に当事者として巻き込まれることもなく、アメ
リカという歴史上稀に見る侵略国家の途方もない「蓑」にくるまり、ある意味でぬくぬくと
暮らしてきましたが、福島第一原発の事故はそうした戦後の泰平楽を一気に吹き飛ばし、放
射能という怪物を檻からぬけぬけと逃亡させてしまいました。そして私達は放射能という怪
物と隣り合わせに暮らしてきたことを「改めて」知らされたのでした。


 東日本大震災以降、多くのマスコミは、高度成長時代いわゆる消費文明からパラダイムシ
フトを果たさなければと喧伝しましたが、わずか9か月余り、民主党をはじめ政府与党をし
て何事にも「経済成長」ありきでの論理に戻ってしまったように感じるのは私だけでしょう
か。

フォードの大量生産方式から、大量消費へという資本主義の流れは、世界人口が70億人
を突破した今も変わることなく受け継がれ、大量の資源を二酸化炭素に変えつつ人類はこの
まま地球を食いつぶすのかもしれません。


 海外からの訪問者で被災地の人々に感動と安らぎを与えたのは決して「豊か」ではない
「ブータン国王」夫妻の姿でした。物質的先進国である日本が、物質文明に頼らない国の
リーダーに癒されるという事実に、私達は今「古くて新しい」何かを再度学び、真の豊かさ
を問い直す時期、時代であると感じます。


 労働組合として果たすべき役割は安心安全な暮らしであり、こうした時代であるからこそ
取り組むべき方向を鮮明にしつつ更なる運動の躍進を目指さなければなりません。

 2012年、組合員の皆様におかれましても、幸多き一年になることをご祈念し、
合わせて旧年に勝るご指導、ご鞭撻を賜りますようお願いし、新年に当たってのご挨拶と
いたします。どうぞよろしくお願いいたします。