アメリカ軍需企業の業績推移
2002.7.7
TRW (1998年国内10位)
( 参照:『アメリカの巨大軍需産業』 広瀬隆著 集英社 2001.4.22刊
−図4 アメリカ軍需産業25社1998年 )
国家も軍需企業も兵器開発競争では開発に膨大な費用がかかり、その分だけ軍需企業の製品を外国へも売りさばかねばならない。アメリカでは大統領以下、国防総省、国務省、各国大使館を始めとする政府機関、諜報機関などと兵器メーカーが一体となり、戦争を求めて、または画策して兵器を輸出している。兵器輸出額が多いほど開発費も多くできる。
米議会報告では、95年〜99年の5年間での世界の武器取引額は1530億ドルで、アメリカがその5割弱を占める。上位6カ国は米ロ英仏独オランダの順。 冷戦終結後、世界の兵器産業の取引高は冷戦時の6割近くまで減少したという。その中でも、2001年の時点での中東湾岸諸国の武器需要は2割以上を占めるといわれ、中東の軍備増強は活発に続いている。
アメリカの経済を戦争経済という言い方もするが、戦争はアメリカ経済にとって一時的な景気浮揚効果しかもたらさない。戦争の利益を得るのは軍需企業、政治家、ペンタゴンなどの特定集団であり、国民は情報操作と特需の中で翻弄され、戦争が終わると失業率が高まることは過去の歴史の中で実証されてきた。(戦争と失業率の「根深い関係」については、前掲書154ページ。)
先月(02年6月)24日、ブッシュ政権が中東和平構想を発表したが、その内容はパレスチナ問題をかなり構造的に理解した上でのもので、すでに専門家などによって何年も前から用意されていたものではないかとの観も持った。アメリカの軍事一極覇権とともに今世紀元年から新たな「テロとの戦争」が始まった。仮に武器需要の2割以上を占める中東に和平が訪れ需要が減少した場合、アメリカの軍需企業は民族・宗教紛争地域以外に、マーケットをどこに求めていくのであろうか。
( 数字は『SAPIO』01.10.24号から引用)